
帝王切開による出産数は、近年増加傾向で、2014年時点で約20%…つまり5人に1人が帝王切開で出産していることになります。
私も第一子を緊急帝王切開で出産することになったひとり。
ここでは、緊急帝王切開はどんなときにするのか、出産するまでの経過や麻酔の効果など経験を踏まえて紹介していきたいと思います!
緊急帝王切開とは?どんなときにするの?

帝王切開は、ご存知の通り、お腹を切って子宮から赤ちゃんを出す手術のことです。この帝王切開も、妊娠中の検査で経腟分娩が難しいと判断されたときに行う予定帝王切開と、分娩前や分娩中に赤ちゃんやお母さんに危険が及ぶと判断した場合、経腟分娩をやめて帝王切開に切り替える緊急帝王切開とがあります。
緊急帝王切開になる理由【母体側の原因】
- 母体合併症(急性虫垂炎、腸閉塞など)
そのままにしておくとお母さんの体に危険が及ぶ病気がたまたま分娩中に発症した場合。 - 児頭骨盤不均衡(じとうこつばんふきんこう)
赤ちゃんの頭がお母さんの骨盤を通らない場合。
事前に疑いがある場合にはレントゲン検査で確かめますが、その時経腟でも大丈夫と判断されても、実際通らない場合もあります。 - 微弱陣痛(微弱陣痛)
お産が長引いて母子共に負担がかかっている場合、陣痛促進剤や吸引を検討後、帝王切開に切り替えることも。 - 軟産道強靭(なんさんどうきょうじん)
子宮口が開きにくく、お産が進まなくなってしまって、会陰切開や吸引などを行っても赤ちゃんが出てこられない場合。
緊急帝王切開になる理由【胎児側の原因】
- 逆子(さかご)
帝王切開を予定していても、手術日前に破水してへその緒が出てきてしまい、赤ちゃんへ酸素が送られない心配があるときや、経腟分娩を試みても出てこれなかった場合。 - 胎児機能不全
分娩の途中で赤ちゃんの心拍が下がるなど赤ちゃんの脳や体に影響を及ぼす恐れがあると判断された場合。 - 臍帯下垂・臍帯脱出
赤ちゃんの頭より先に臍帯(へその緒)が下りてきて、赤ちゃんに酸素が送れなくなる心配があるとき。
破水前に臍帯が下がる臍帯下垂、破水後に臍帯が出ているのを臍帯脱出という。 - 回旋異常
赤ちゃんは産道を回旋して出てきますが、赤ちゃんがうまく回旋できなかったり、へその緒が巻きついて出てこれない場合。
緊急帝王切開になる理由【母体・胎児両方の原因】
- 妊娠高血圧症候群
重症の場合、胎児への血流が悪くなってしまう可能性があるので、通常予定帝王切開となります。しかし、予定日より前に母子ともに危険な状態なった場合には緊急帝王切開を行います。 - 常位胎盤早期剥離
お産が始まる前に、胎盤がはがれてしまうと、赤ちゃんに酸素が送られなくなったり、子宮内で大量出血が起きて母子ともに危険な状態となるので、全身麻酔で緊急帝王切開が行われます。 - 前置胎盤
通常、子宮の天井にある胎盤が、低い位置にあって子宮口を塞いでしまっている状態。子宮口を塞ぐと赤ちゃんが出てこられないので予定帝王切開となりますが、急に大量出血する場合もあるので、その場合には緊急帝王切開を行います。
私が緊急帝王切開になった理由
私の場合、【母体側の原因】で説明した児頭骨盤不均衡(じとうこつばんふきんこう)と【胎児側の原因】回旋異常が原因で緊急帝王切開となりました。
どういうことかというと、私は、39週くらいの妊婦検診で赤ちゃんが全然下りてきていないと指摘され、レントゲン検査で赤ちゃんが骨盤を通れるか検査をしました。
すると、頭の大きさ的には通れるということでしたが、赤ちゃんが上を(母体から見ると下を)向いてみいて、骨盤にはまって下りてられない状態だと言われました。

しかし、そのときは帝王切開の予定は組まず、分娩時に上手く回旋してくれることを期待し、経腟分娩をすることになりました。
40週5日目に陣痛が来て、陣痛促進剤を使いながら15時間以上陣痛を耐えましたが・・・結局赤ちゃんの頭の位置が治らず、産道を下りてこられないため、緊急帝王切開となりました^^;
私は安産体形だし、きっと陣痛も短くスルっと生まれてきてくれるかな~なんて期待していましたが、そんな簡単には産ませてもらえない結果となりました!笑
入院から緊急帝王切開までの経過

22:00 陣痛が10分間隔になり病院へ
22:20 診察で子宮口4㎝、陣痛室で横になる
01:00 陣痛5~8分間隔
09:00 陣痛3~5分間隔
09:30 破水
11:00 陣痛2~5分間隔
12:00 陣痛促進剤オキシトシン点滴
12:30 子宮口全開大、陣痛1分間隔
12:40 医師の診察、回旋異常で緊急帝王切開に
12:45 手術前の採血、点滴、剃毛、弾性ストッキングを装着、尿カテーテルの挿入
12:50 車いすで手術室へ
13:00 麻酔
13:13 やっと出産
痛みではっきりした記憶ではないので、実際の時間は多少違うかもしれませんが、陣痛促進剤を使うまではなかなか陣痛が進まずとーっても長かったです!
ですが、帝王切開が決まってからは助産師さん5~6人が私を取り巻き、あっという間に手術…出産!となりました。
それでは、ここで登場してきた陣痛促進剤や麻酔は、どのような効果や副作用があるのか、具体的に帝王切開とはどういう手術なのか経験を踏まえて詳しく説明していきたいと思います。
陣痛促進剤とは?

陣痛促進剤を使う目的
陣痛促進剤を使う目的は次の2つ。
- 陣痛を起こすため(陣痛誘発剤とも呼ばれる)
- 陣痛が弱い場合にお産を進めるため
初産の場合は、特に過期産となることもあるので、陣痛誘発剤として使うことも多く、私の場合は陣痛が進まずに使いました。
陣痛促進剤はどんな薬?
陣痛促進剤で使われる薬は、『オキシトシン』や『プロスタグランジン』と呼ばれる薬で、妊娠中の女性から分泌されるホルモンと同じ成分でできています。
このホルモンは子宮を収縮を促進させる作用があるので、陣痛を誘発したり進めることができます。
次に、オキシトシンとプロスタグランジンつの薬の特徴をみてみましょう。
オキシトシン
効果:筋肉を収縮されるホルモンなので、子宮を収縮させて分娩を促す
投与方法:点滴
作用時間:数分で効果が出る人もいれば時間がかかるひとも
副作用:アレルギー症状(発疹、発赤、そう痒感、血管性浮腫、呼吸困難など)、過強陣痛、子宮破裂、頸管裂傷、羊水塞栓症、微弱陣痛、弛緩出血、胎児機能不全、新生児黄疸、悪心・嘔吐など
プロスタグランジン
効果:子宮の出口を柔らかくしながら陣痛を誘発
投与方法:点滴、飲み薬
作用時間:<点滴>数分で効果が出る人もいれば時間がかかるひとも
<飲み薬>1回1錠を1時間毎に6回、1日最大6錠を飲み、陣痛の誘発をまつ。これも作用する時間は個人差が大きい。
副作用:アレルギー症状(発疹、発赤、そう痒感、血管性浮腫、呼吸困難など)、不整脈、過強陣痛、胎児仮死徴候、嘔気・嘔吐、下痢、顔面紅潮、頭重感、血圧上昇・下降、血管痛(点滴のみ)など
注意事項:喘息や緑内障の人へ使用できない
陣痛促進剤って危険なの?

陣痛促進剤は、お母さんが体で作るホルモンと同じ成分なので、お母さんや赤ちゃんの体に害になる心配はありません。ただ、薬が効きすぎると過度に子宮収縮して、その結果、子宮破裂や胎児に酸素が十分に送れなくなる危険性があります。
しかし、これは‟危険性”の話で、市販の風邪薬にだって、アレルギー症状で窒息する危険性があります…。
その点、陣痛促進剤は医師や助産師さんが、お母さんや赤ちゃんの状態をモニターで見ながら、器械を使って正確にゆっくりと投与する薬なので、安全性は高いと言えます。
ちなみに、もし陣痛が強くなりすぎても薬を止めたり、陣痛を弱くする薬を投与することができます。
心配な方は使用する前に、医師や助産師さんに納得いくまで説明してもらってから使いましょう!
帝王切開で使う腰椎麻酔ってどんな麻酔?

腰椎麻酔とは?
帝王切開の手術で、一般的に使用される麻酔は『腰椎麻酔(脊椎麻酔)』と呼ばれる麻酔です。
この腰椎麻酔は、腰骨あたりに麻酔薬を注射することで、お腹の中を含めた下半身全体を麻痺させるので、手術中の痛みは全く感じません。
この他に、術後の痛みを減らすために背中に管を入れて麻酔薬を持続的に流す『硬膜外麻酔』という麻酔を使用する場合もあります。
どちらも意識はある状態なので、手術中の先生の動きや助産師さんの動きもある見えますし、声も聞こえます。
麻酔をするときは痛い?
腰椎麻酔をするときの痛みを消すために、予め、とっても細い針で腰の皮膚表面に局所麻酔を注射してから、腰椎麻酔を注射します。なので、最初の局所麻酔がチクっとするくらいで、あとは腰椎麻酔を注射する時には腰骨をグッと押される感覚があるのみで痛みは全くありません!安心してください♪
私の場合は麻酔がかかるまでは陣痛があったので、局所麻酔の痛みも全く感じませんでしたが^^;
麻酔は注射したらすぐに効ききます。実際に、私が腰椎麻酔をしたときも、注射したのとほぼ同時にあれほど痛かった陣痛が嘘みたいに消えていきました!
腰椎麻酔の副作用・合併症
- 血圧低下
- 頭痛
- 嘔気・嘔吐
- 足の痺れ、麻痺など
- 呼吸困難
私は、麻酔がかかりすぎて、胸・腕・手まで麻痺していました^^;
私のように麻痺するだけなら、いずれ麻酔が切れるので問題ないのですが、この時に呼吸に関わる筋肉にまで麻酔がかかって、呼吸困難になる場合もあります。
いろいろ副作用や合併症が起こる危険性はありますが、手術室では助産師さん・看護師さん・医師が何人も取り囲んで、心臓や呼吸のモニターを監視していますし、話しも普通にできるので、過度に心配する必要はないでしょう♪
帝王切開の手術ってどんな手術?傷は目立つ?

皮膚の切開方法は、下腹部を縦に着る『縦切開』と横に切る『横切開』があります。それぞれの特徴は以下の通りです。
横切開
- 陰毛の上を横に10㎝程度切開
- 視野が狭い手術時間がかかる
- 緊急時には向かない
- 傷跡が目立ちにくい
- 術後の痛みが少し強い(個人差がある)
縦切開
- お臍の下を縦に10㎝程度切開
- 視野が確保しやすいので安全性も高い
- 手術時間が短い
- 出血が少ない
- 傷跡が目立ちやすい
- 術後の痛みが少ない(個人差がある)
どちらで手術するかは施設や状況によりますが、”見た目”を除けば縦切開のほうが、メリットが大きいので縦切開で行うところが多いようです。私も縦切開での出産でした♪
まとめ
陣痛も短くトラブルなく出産できるのが一番ですが、私のようにいきなり緊急帝王切開になる人もたくさんいます!
私が出産したときも、3人連続緊急帝王切開になったと助産師さんが言っていました…!
その場になって、いきなり手術となると焦ってしまうと思うので、普通分娩を予定しているお母さんも、帝王切開の方法や麻酔の方法についてある程度知っておきましょう♪
帝王切開後の病院での過ごし方や意外だった出産費用についても後々公開していきく予定です。
